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海外先進国、日本でも全国的に広がることが懸念されているアタマジラミ


人に寄生するシラミはヒトシラミとケジラミの2種であり、さらにヒトシラミは形態とすみかの多少の違いからコロモジラミとアタマジラミの2亜種に分類されています。
そして、感染経路はアタマシラミは頭髪と頭髪との直接接触で、コロモシラミは皮膚から皮膚、または衣類を介して、ケジラミは性行為で感染するといわれています。


シラミは成虫になるとすぐ交尾して卵を産み始め、移動しながら毎日、少しずつ生んでいきます。

したがって、感染に関しては交尾後のメスが問題になり、すなわち、受精卵をもった1~2匹の雌のシラミが移ったら、その1ヶ月後に、シラミがある程度の数に達してから、かゆみを感じるようになります。
この潜伏期間に家族の親、兄弟にも感染してしまっていることが多く、学校の場合、1クラスに何人もの子供に感染がみつかるということが多いようです。

子供が耳の後ろや後頭部を無意識にかいていたら、まずアタマジラミを疑いましょう。


子供が耳の後ろや後頭部を無意識にかいていたら、まずアタマジラミを疑ってみる必要があり、その卵は、耳の後ろやえりあしなどの後頭部に付着していることが多いようです。
シラミはふけと違い、手で払っても簡単には落ちません。

アタマジラミは、頭髪から落ちたり離れたりした、成虫・幼虫が他の人に感染し、その感染経路として、集団で遊んだり、一緒に寝たりといった、接触により感染します。
また、タオルや寝具などを介してうつることもあるため、クシやブラシですきながら、髪にひそむ成虫や幼虫を洗い流すということが大切です。


卵は毛にセメント様の物質でしっかりくっついていて、ふ化後も卵を毛にしっかりくっつけている部分に関しては、洗髪しても髪に残ってなかなか取れません。

最近、幼児や小学生の間で、アタマジラミが増えているようですが、その原因については明らかではありません


しかし、その背景には、親がアタマジラミを知らない世代で、子どもが頭をかゆがっているのを見過ごしてしまうことがあげられているようです。
アタマジラミには、市販のピレスロイド系駆除薬が有効とされていますが、海外の先進国ではこの薬が効かない抵抗性アタマジラミが蔓延しており、わが国以上に被害が大きくなっているようです。


日本でも近年、この抵抗性タイプのアタマジラミが徐々に増加していることが確認され、全国的に広がることが懸念されています。
これは、海外からわが国に持ち込まれたシラミが発端となっていることが、シラミの遺伝子に生じた変異の共通性から推測されており、わが国では、抵抗性タイプのシラミにかかったケースが、現在では約8%の割合で見つかっています。


ときどき大人がシャンプーを手伝い、アタマジラミがいないか、卵がないかを確認するようにしましょう。


小さい子どもがいる場合は、ときどき大人がシャンプーを手伝い、アタマジラミがいないか、卵がないかを確認するようにしましょう。
頭をかゆがっているといううようなときには、とくに注意が必要です。


アタマジラミが見つかったときは、目の細かい専用のすきぐし、または駆除薬を使って駆除するようにします。
抵抗性ではない、薬の効くタイプのアタマジラミであれば、アタマジラミ用として市販されている、医薬品のピレスロイド系フェノトリン含有のシャンプーを使用書どおりに使えば、処理を始めてから約10日間のうちに、確実にアタマジラミを駆除することができます。


駆除薬を使うシャンプーは必ず大人が行うようにしましょう。


使用書には、2日おきに3~4回の処理を行うように指示されていますが、薬の効くタイプのアタマジラミであれば、1回目の処理でほとんどの幼虫と成虫を取り除くことができます。
駆除薬に同梱されている目の細かいくしを使い、シャンプーの後で髪が乾いていないうちに、ていねいにすいてみると、初回の処理の後であった場合、まだ完全には死んでいないが動きの鈍くなったシラミがくしに引っかかってくるはずです。


駆除薬は卵に対しては効果がありませんので、卵の期間である8~9日間は薬の効果が出ません。
2回目以降の処理では、おもに卵からふ化して間もない幼虫を取り除くことを目的としています。


2回目以降の処理において、成虫やふ化から日数がたった幼虫がくしで取れる場合、また、くしですき取れるシラミの数が激減しない場合は、抵抗性シラミの可能性が強く疑われます。
このような場合は、駆除剤のさらなる使用は控え、駆除薬同梱のすきぐし、または、シラミ駆除専用のすきぐしを購入して、すきぐしのみを使った駆除に切り換える必要があります。


新札をくしの目にはさんでも落ちないほど目の細かいシラミ駆除専用のすきぐしには、虫だけでなく卵を取り除く効果もあります。

ただ、アタマジラミを完全に駆除できたかどうかに確信がもてない場合は、皮膚科を受診して確認するようにしましょう。


アタマジラミは、清潔にしていても感染します。


1人だけが駆除をしても、またすぐに感染する可能性がありますので、うつされる可能性も、うつす可能性もあるのです。
集団の中で発生したら、発生している子どもだけでなく、みんなで一斉に駆除に取り組まなければ、アタマジラミの感染を食い止めることはできません。

アタマジラミが発生した子どもが仲間はずれにされたり、いじめられたりすることのないように、周りの大人が細かい心配りをするということが大切となります。

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