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人体に寄生するトリコモナスは、3種類(口腔/腸/膣)確認されています。


膣トリコモナス症とは、トリコモナス原虫と呼ばれる病原体が人体に寄生することによって引き起こる疾患です。
人体に寄生するトリコモナスは、3種類(口腔/腸/膣)確認されています。

しかし、中でも膣内に寄生するものが様々な疾患を誘発するため、トリコモナス症とは、通常「膣トリコモナス症」のことを指し、また、膣トリコモナス症は主に性行為(セックス)によって感染します。
そのことから、クラミジアやカンジタ症などと同じく、性病(性感染症)のひとつとして位置付けられています。


膣トリコモナス症の検査でもっとも一般的な検査は??


膣トリコモナス症の検査でもっとも一般的な検査は、顕微鏡検査であり、その検査では膣分泌物や尿を顕微鏡で調べます。
顕微鏡検査では、医師が顕微鏡を使い、眼で見てトリコモナスがいるかを確認することになりますが、この検査方法は精度が高いとはいえません。


トリコモナスの診断に慣れた医師であっても、約10%程度は見逃すこともあり、あまりトリコモナスの診断に慣れていない医師だと、全く見つけられないということもあります。


つまり、経験豊富な医師なら精度はそこそこ高いけれどもたまに見逃してしまうということもあり、逆にあまり経験のない医師だと見逃すことのほうが多くなるということです。
ただ、現在でも膣トリコモナス症の検査は、顕微鏡検査が最も一般的となっています。


膣トリコモナス症の検査には培養検査という方法もあり、医師が「トリコモナスが少なくて検出できないのかも」と推測した場合において、トリコモナスを増やしてから検査するという検査方法となります。

培養によって増やしてから、顕微鏡検査を行うようになります。
培養検査の精度は、顕微鏡検査よりは高くなっています。


しかし、それでもトリコモナスを見落とすこともあり、感染初期などはトリコモナスが少なすぎて、培養しても発見できないという場合もあります。
また、培養検査の場合は培養に数日かかるため、後日病院に検査結果を聞きにいく必要もあります。

トリコモナスの検査として遺伝子検査という方法もあり、主にPCR法という方法で遺伝子検査を行います。


精度が非常に高く、信頼性のある検査であり、トリコモナスの感染から2~3日後に検査が可能となります。
実際に、GME医学検査研究所では、郵送検査キットで遺伝子検査ができるようになっていますが、トリコモナスの遺伝子検査は、必ずしも必要のある検査とはいえません。


医師としては通常「トリコモナスの検査は顕微鏡検査と培養検査で十分に対応できるね」と考えています。

見逃されることもありますが、腕のいい医師なら、顕微鏡検査で9割以上を発見できますので、トリコモナスの遺伝子検査を考えるような場合というのは、治療後にトリコモナスがいなくなったのを確認する場合、トリコモナスが疑われるが診断が確定できない場合などの、一部のケースに限られると思われます。


そのため、トリコモナスの遺伝子検査というのは、精度は高いけれども必要性は低い検査といえます。


膣トリコモナス症の治療法は?


膣トリコモナス症の治療法として、女性の場合は、まず膣洗浄を行い、そして、抗原虫剤の内服薬と外用薬(膣挿入錠剤)や膣への軟膏が処方されます。
この薬は、量にして、だいたい2週間分ほど処方されます。

膣の錠剤も重要ですが、内服薬によって体の内側から治療するのが一番有効であるとされています。
男性の場合は、内服薬を1週間~10日間服用することになり、たったこれだけの治療でトリコモナスが治ってしまうとされています。


トリコモナス治療中に守らなければいけないポイントがあります。


前述の通り、トリコモナスの治療はとっても簡単ですので、つい安易に考えてしまいがちですが、性感染症という病気には変わりありませんので治療中に守らなければいけないポイントがあります。
まず、治療中はプールや銭湯・温泉には行かないことです。

トリコモナス原虫は、水さえあれば強い生命力を発揮しますので、簡単に感染が広まってしまうことから、公共の場所への出入りは厳禁です。


次に、飲酒を避けるようにしましょう。

治療中は、アルコールの分解が阻害されてしまいますので、悪酔いやアルコール中毒を起こしやすくなります。
そのため、治療中は飲酒をしてはいけません。


さらに、患部を清潔に保つようにしましょう。

ただ、清潔にしなければと神経質になり過ぎるのもいけません。
何度も必要以上に患部を洗ってしまうと、膣内の自浄菌の力を弱めてしまうので、逆効果になってしまうこともあります。

また、石鹸などで強くこすると、石鹸の刺激で悪化してしまう場合があるのでやめるようにし、お湯だけでそっと洗い、乾かすだけにしましょう。


最後に、治療中は性行為を禁止するようにしましょう。


トリコモナスは、女性よりも男性の方が早く治る傾向がありますが、男性が治ったからと言ってすぐに性行為をしてはいけません。
彼氏・彼女、夫婦間できちんと話し合って完治させないと、永遠にお互いで感染を繰り返すようになってしまいます。


トリコモナスだけに限りませんが、性感染症の治療は完全に治るまで必ず続けることが大切であり、症状が無くなったからと、勝手に解釈して病院に行くのを止めたり、内服を止めたりしないようにしましょう。

完治したと自己判断しても、原因となっている菌や虫が根絶するまでは、症状の再発の可能性があります。

したがって、安易に完治したと自己判断せず、病院で正確な診断を受けてから完治したと判断するようにしましょう。

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