ケジラミ症の予防法、治療法は?

ケジラミ症は現代もまだまだ注意するべき性病です。
吸血する昆虫であるケジラミが身体に寄生すると、ケジラミ症という病気になり、ケジラミは主に陰毛に寄生し、性行為で感染します。
ケジラミは全長1mm程度の大きさで、陰毛の毛根周囲に住みつき、1日に数回血を吸って栄養として生きています。
日本では太平洋戦争後にケジラミは減少していましたが、1970年代から海外のケジラミが持ち込まれたことによって、再度増えてきていました。
その後、ケジラミは増減を繰り返し、1990年代以降はまた増えてきていますので、ケジラミ症は現代もまだまだ注意するべき性病です。
ケジラミ感染経路は主に性行為の際の接触感染が殆どです
ケジラミ症は、シラミと呼ばれる寄生虫が頭や陰部の毛に寄生することで発症しますが、その感染経路は主に性行為の際の接触感染が殆どです。
陰毛に接触するだけで感染してしまうので、性感染症の予防の基本であるコンドームを装着しても意味がありません。
また、ケジラミは人間の身体を離れてからも約48時間程は生存が可能です。その為、他人が使ったタオルや毛布などを介して感染する事もあります。
ケジラミは、水中だと毛にしがみつく傾向がある為、公共のお風呂やプールなどの水中で感染する事はありません。
しかし、脱衣所やトイレなどで感染する事はありますので気を付けましょう。
もし、ケジラミが見つかってしまったら、治療が終わるまでは、直接接触しない、家族と寝具やタオルを共有しないといった方法で感染を予防してください。
感染を拡大させないことがもっとも重要ですので、感染者のみならず、周りの家族の理解も大切です。
そのため、毛じらみに対する知識をしっかり身に付け、家族全員で予防を心がけるようにしましょう。
また、多くの場合、ケジラミ症に感染してから約1~2ヶ月経った後に症状が出ます。
そのため、症状が出る1~2ヶ月前に接触のあったパートナーにおいては、感染の有無を確認し、治療を促す必要があります。
ケジラミ症の治療として、最も費用がかからず確実な方法は、感染部位の毛を剃ることです。
ケジラミ症の感染が陰毛のみに限られている場合は、毛を剃るだけで完治できますが、感染が頭の毛や体毛など広い範囲にわたる場合は、全ての毛を剃ることはできませんので、シラミ治療薬による治療が必要になります。
シラミ治療薬として国内で認可されているのは、スミスリンパウダーとスミスリンシャンプーであり、いずれの治療薬も一般市販薬で、処方箋がなくても薬局で購入することができます。
その治療薬の使い方としては、症状のある部位にスミスリンパウダーを適量塗りつけ、1~2時間ほど経ったら塗った部分を洗い流します。スミスリンシャンプーにおいては、水又はぬるま湯で陰毛を少し濡らし、キャップの目盛を参考に、3~5mL程度使用します。
その後、手やクシで薬液が全体にいきわたるようにのばし、5分間そのまま待ちます。
5分後、水又はぬるま湯で薬剤を十分に洗い流します。
スミスリンシャンプーの使用頻度は3日に1回ずつで、3~4回繰り返すのが望ましいとされており、スミスリンシャンプーにはシラミを駆除する成分であるフェノトリンが含まれているため確実に毛じらみを駆除することが可能であるとされています。
ただ、これらの薬はシラミの卵には効果が弱いため、卵の孵化サイクルに合わせて何回か繰り返し治療する必要があり、シラミの卵の孵化期間は1週間前後のため、3~4日ごとに3~4回繰り返し使用することになります。
そして、ケジラミ症の治療は、セックスパートナーの治療はもちろん、子どもがいる家庭の場合では、家族単位でいっせいに治療する必要があります。
また、人から離れたケジラミは、一定期間生存している可能性があります。
したがって、衣類はアイロンをかけるなどの熱処理を行うか、ドライクリーニングを行う必要があります。
一般的に性病はコンドームを装着すれば予防できると考える方が多いと思いますが、コンドームを装着しても陰毛同士の接触は防げないため、ケジラミ症は予防することができません。ま
た、感染してしまっても軽いかゆみ程度なら、性病だとは思わず、あまり気にされない方もいるかもしれませんが、ケジラミ症のかゆみは時間が経つにつれてどんどん強くなるのが特徴です。
さらに、軽度であってもパートナーや家族にうつしてしまう可能性が高い性病です。
軽度のかゆみでも放っておかず、早めにケジラミ症かどうかを調べるようにし、素早く適切な対処を心がけましょう。